第4回アジア・太平洋水サミット関連イベント「水の公共性~コモンとしての地下水と化学物質汚染~」を開催

2022年4月23日と24日、熊本城ホールで開催された第4回アジア・太平洋水サミットの関連イベントとして「水の公共性~コモンとしての地下水と化学物質汚染~」を開催しました。当日、会場では感染対策を実施しながらオンラインを併用して開催し、会場・WEB合わせて30名が参加しました。

イベント開催にあたり古矢水情報センター代表より主催者挨拶として「水情報センターの役割は、水に関する情報を発信し、広く市民に知ってもらうことにある。本イベントがきっかけとなり、水道・下水道事業の推進に活用されることを期待する」と述べられました。

第1部の事例報告では、2016年の熊本地震の当時の状況から復興までの道のりを全水道熊本水道労働組合・執行委員長の今村健志氏に講演いただきました。報告の冒頭、震災復旧のために全国から駆けつけた水道事業者の方々へ感謝を述べられました。地震発生直後の自身の体験談、震災直後の施設の状況報告や復旧・復興の道のりを詳細に報告されました。

第2部では化学ジャーナリスト・植田武智氏が「永遠の化学物質PFASによる水汚染にどう立ち向かうか?」と題し講演されました。講演に先立ち植田氏は「熊本県の地下水利用率が高いことは凄いことだと考える一方、PFASの取組を通じて地下水は有害化学物質など外からの汚染に弱く、一旦汚染されるとその除去は非常に困難になる。」と述べられました。講演では日本各地や欧米など海外で起きている事例のほか、被害に対してどのように対処し、解決しているのかを紹介されました。講演最後に植田氏は「有害化学物質のせいで疾病にかかった人を見捨てない、積極的に救うんだという社会に生きていきたい。新型コロナウィルスも同様、病気になった人が見捨てられる社会であってはいけない。そのためにも積極的に調査し、リスクを見つけることが重要」と述べられました。

なお、今回のイベントは第4回アジア・太平洋水サミットの会期中に開催したため、参加者はイベント終了後にサミット会場で開催された講演や展示ブースなどを訪れ、今回のサミットのテーマである「持続可能な発展のための水」の実現に向けた先進事例も学ぶことができました。

 

古矢代表による主催者挨拶

リアル開催の熊本会場

オンライン講演の様子

事例報告をする今村氏